2010年
5月
30日
日
神戸市兵庫区にある氷室神社の奥に、氷室の跡が残っていました。
とはいえ、現在では、氷を保存するほど涼しい場所でもないんですよ。
そうそう、平清盛の造った「雪の御所」があった場所の近くです。今では、ほとんど雪も降らないのですが、昔はやはり、寒かったのでしょうね。
2010年
5月
26日
水
「翠雨」の「翠」は、カワセミの雌をさす漢字だそうです。 『翡翠』は、カワセミの漢名。 あざやかな羽の色を、色名に使われるようになり、やがて、宝石の名前にもなりました。「みどり」と読みますが、どちらかというと、青ですよね。
古くは「そに」と呼ばれ、川に住むので「かわそに」。やがて「かわせみ」に変化したといいます。
写真は、松本城の石垣で休憩中の翡翠です。
2010年
5月
24日
月
よく降りましたね。 青葉に降りかかる雨を、「翠雨」「緑雨(りょくう)」「青雨(せいう)」などというのですが、バスの窓越しに、ぴったりの写真が撮れました。
東山魁夷の絵みたいな色だと思いませんか?
実は、日曜日、田植えに行ってきたんですよ。
でも、寒くて風邪をひきそうだったので、田んぼには入りませんでした。
早乙女になりきるつもりでしたが……。
やはり、無理があったのでしょうね。
2010年
5月
21日
金
昨日の『夏雪草』を受けて……。
一重の空木の写真を探したのですが、うまく撮れている写真がないので、姫空木をアップしました。
花はそっくりですが、小さいです。
よく鉢植えで見かけますが、これは、兵庫県稲美町の万葉植物園の姫空木です。
「姫」とつくだけで、とっても清楚なイメージが重なりますね。
2010年
5月
20日
木
「夏雪草」は、空木(うつぎ)の異称です。
「空木」は、「卯の花」と呼ばれて親しまれてきました。
普通、一重ですが、明石公園では、八重の卯の花が咲きこぼれていました。
(去年の写真ですが……)
このところの雨は、「卯の花腐(くた)し」?
曇り空は、「卯の花曇り」かもしれませんね。
~時鳥 我とはなしに 卯の花の 憂き世の中に 鳴きわたるらむ~
(大河内躬恒『古今和歌集』)
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ほととぎすは、私とはちゃうのに……。
なんで、卯の花の咲く、この憂き世に、
私みたいに、ないてばっかりおるんかなぁ……。
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2010年
5月
18日
火
今日、新しい本の見本が届きました。
今度のタイトルは、
アマゾンには、もうアップされていて、びっくり。
今週中には、書店にも並ぶそうです。
前触れもなく、すみません。
いつもなら、事前に発売日を連絡していただくのですが、
見本と同時に連絡が来たもので……。
次回のメルマガは、新刊のご報告になりますが、
ブログに来てくださったみなさんには、一足お先にご報告させていただきますね。
私たちは、昔から、自然の風物を見て、時の流れを感じてきました。
今回は、そんな自然の風物に、心模様を重ねてみました。
自然の中に、言葉の中に、みなさんが生きてきた歳月が見えることと思います。
ぜひ、手にとってみてくださいね。
2010年
5月
17日
月
冬の間、雀(すずめ)のために、庭にえさ場を作って、「小鳥のえさ」を置いていました。食べ物がなくて死んでいく鳥たちを、少しでも救えるかと思って。
あたたかくなったので、えさ場はかたずけたのですが、向日葵(ひまわり)の種だけ食べ残していたので、先日、それを蒔(ま)きました。
ほうきで掃いて、ちりとりでぱらぱら……という乱暴な蒔き方でしたが……。
それでも、たくさん芽が出てきました。
ところが、向日葵は三本だけ。あとは、違うようです。
「見たことあるな……」と思っていたら、昨日花が咲きました。
蕎麦(そば)の花です。
蕎麦の実なんて、入っていたかな?
でも、うれしいです。
とってもかわいい花ですよ。
これも、零れ種といえるのかもしれませんね。
2010年
5月
16日
日
以前、NHKラジオ第一のラジオビタミンの 言の葉クイズで、「“二季草”は何の異称でしょう」 というクイズを出したんですよ。
たくさんFAXやメールをいただきましたが、ほとんど正解でした。
こちらは、天王寺動物園の藤棚です。
藤の名所はたくさんありますが、本家本元の野田の春日神社の藤は、石碑しか残ってないようですね。
じつは、我が家にも藤の木があります。
かつては咲いていたのですが、枯れる寸前まで弱ってしまって、
今年も花は無理のようです。
でも、ずいぶん元気になったので、来年は期待できるかな。
さて、メルマガの和歌の夢子語訳を……。
~我が宿の 池の藤波 咲きにけり 山ほととぎす いつか来鳴かむ~
(よみ人しらず『古今和歌集』)
*******(夢子語訳)*******
我が家の池のほとりの藤が咲いてん。
山から、ほととぎすが来て鳴いてくれるのは、いつのことやろ~。
*****************
(夢子語:神戸在住の夢子が日常使っている言葉)
2010年
5月
15日
土
『美人の日本語』の今日は、『忍冬』を選びました。
漢字は、漢名をそのまま使っています。
冬でも寒さに耐えて、葉を落とさないから、こう書くのだそうです。
その葉は、季節ごとに、いろいろな形に変化していくんですって。
花が咲くのは、今の季節。
別名『金銀花(きんぎんか)』ともいうように、白い花がだんだん黄色みをおびてきて、金と銀の花がいっしょに咲いているように見えます。
花言葉は、「恋の絆」というそうです。
そういえば、ふたつずつ、並んで咲いています。
2010年
5月
14日
金
ご近所の定家葛(ていかかずら)が咲き始めました。
とってもいい香りがします。
花びらの半分が、風を受けるように折れ曲がっているので、風車のようにくるくると回り出しそうです。
昔は、柾の葛(まさきのかずら)といったのですが、藤原定家と式子内親王との悲しい恋にちなんで、こう呼ばれるようになりました。
式子内親王は、後白河法皇のお嬢様。
彼女の和歌の師が、藤原俊成。
その俊成の子が定家ですから、そんな関係で出会ったのでしょうね。
内親王の方が、8~9歳年上です。
花の伝説では、定家の方が積極的に追いかけたようになっていますが、ふたりが恋愛関係にあったかどうかはまったく定かではありません。
でも、内親王の残した歌は、忍ぶ恋を詠ったものが多いのです。
そのお相手は誰だったのでしょう。
今、京都で冷泉家・王朝の和歌守展が開催されています。
行くつもりでいるのですが、なかなか行けなくて……。
でも、6月6日まで。
早く行かなくちゃ!
2010年
5月
13日
木
昨日は、Kotoを奏でるシンガーソングライター・真依子ちゃんのライブに行ってきました。新しいアルバム「うた絵本」の誕生日コンサートです。
すごくパワーアップした真依子ちゃんたちに、とっても楽しませてもらいました。
ところで、「いしいし」は、お団子をいう女房言葉です。
おいしいという意味の「いしい」を重ねたものだそうです。
じつは、久しぶりに梅田に出たら、すっかり変わっていて、案の定、道に迷ってしまいました。
そのとき、目の前に、おしゃれなお団子屋さんが……。
一目見て、差し入れは、「花より団子」になったのでした。
Plus Anというお店で、かわいい創作団子がたくさんあります。
団子という言葉は、中国から伝わった「団喜(だんぎ・だんき)」が変化したのだといいます。
おいしくて、うれしくなるのは、今も昔も同じですね。
写真は、お団子(いしいし)のような庭石……。宇和島の伊達家の庭園「天赦園」のものです。
2010年
5月
11日
火
『最新。アンケートによると』というメルマガを読んでいると、こんな記事が載っていました。
「外国人観光客に聞いた!日本の何が"カッコイイ"」によると、1位は「親切」だったそうです。
パスポートを落としたのに拾った人が駅に届けてくれたとか、鞄(かばん)を忘れたところ後ろの席の人が追いかけて届けてくれたとか……。
外国ではありえないということでしょうね。
そのことをわきまえたうえで、私たちの文化として、誇りに思ってもいいことではないでしょうか。
親切は、もともと「深切」と書きました。
『日葡辞書』では、「深い大切」と訳されています。
先日行った松山では、古くからお遍路さんのおもてなしの文化が栄えた町だとか。
みなさん、とっても親切で、気持ちよく旅ができました。
写真の「坊っちゃん列車」の運転手さんも、みんなに笑顔で応対していました。
2010年
5月
10日
月
「ごぎょう(御形、五行)」とも呼ばれ、春の七草に数えられる母子草。
新芽は、ほんとうにやわらかくて、いかにもおいしそう……。
昔は草餅も、母子草で作ったそうです。
何やら由来のありそうな「母子草」という名前。
ですが、「母子」ということには関係がないようです。
白い毛がはえている(ほうけている)ところから、ほうこ草が変化したという説が有力です。
ほかにもいろいろな説がありますが、なんとか「母子」にこじつけようとしているものも多いようです。
去年、一昨年と、親にかかりっきりで、すっかり我が家の庭は荒れ果てていました。
でも、この母子草がいっぱい出てきて、花を咲かせてくれました。
今年も、咲いています。
2010年
5月
09日
日
木曜日の夜から、松山に行っておりました。
そちらから更新できるかなと思ったら、できなくて、そのままになってしまいました。
その上、食事に入ったお店の冷房が強くて、風邪をひいてしまって……。
今日帰ってきたのですが、ずいぶん眠ってしまって、そのため、メールマガジンの発行が遅くなって、申し訳ありません。
私は、どちらかというと、湿り気の多い、あたたかい風が体質にあいます。
だから、冷房は苦手。
きっと、竹の子たちとは、相性がいいような気がします。
2010年
5月
06日
木
メールマガジン
『センスを磨き、幸せを呼ぶ~夢の言の葉~』は、
6年前の5月6日に、第1葉を配信しました。
つまり、今日が、本当の六周年記念日なんです。
その日の言の葉は、『琴線』。
日本人の心の中には、お琴があって、
その弦が共鳴し合うのかもしれませんね。
この言の葉は、『美人の日本語』にも収録されています。
さて、写真は、須磨琴と呼ばれる一弦琴。
在原行平が、須磨に流されたとき、
庇(ひさし)の板で作ったという伝説があります。
有馬の念仏寺では、毎年、6月下旬に、
一弦琴と沙羅の花を鑑賞する会が行われていて、
写真は、6年前、母と行ったときのものです。
2010年
5月
05日
水
最近では、川やお堀に鯉幟(こいのぼり)を泳がせるところが増えてきましたね。
反対に、個人で鯉幟を立てるお家は減ってきました。
もともと、鯉幟は、「登竜門」の伝説にちなんで、あげられるようになったものだとか。
中国の「龍門」という急流を登りきることができた鯉は、龍になる……。
~屋根より高い鯉幟~は、龍門を登っていく鯉の姿になぞらえたものだったのですね。
詳しくは、『美人の日本語』の「登竜門」に書きましたが、
子どもの立身出世を願って、あげるようになったといいます。
川に並んで泳いでいる鯉たちは、出世よりも、みんな仲よく暮らせるようにとの願いがこめられているのかもしれませんね。
2010年
5月
04日
火
プラタナスの和名が、鈴懸木(すずかけのき)。
略して、鈴懸(すずかけ)ともいいます。
まあるいボールのような実ができていました。
鈴懸は、修験者(しゅげんじゃ)が衣の上に着る麻の法衣(ほうえ)のこと。
さらに、その上に、結袈裟(ゆいげさ)を身につけます。
結袈裟には、梵天(ぼんてん)と呼ばれるまるい房がついているので、たぶん、これにプラタナスの実をたとえたのでしょう。
厳密にいえば間違いなのでしょうけど、梵天の木?、結袈裟の木? やはり、鈴懸の木の方が、きれいな響きですね。
さわやかな風に吹かれて、涼しげな音が聞こえてきそうな気がしました。